小型家庭養老院
大連市社会福利院の視察のあとは、中山区内の小型家庭養老院の視察である。日本のグループホームのようなもので、個人宅で数名の高齢者を入所で世話するものである。ところが散々探して訪ねたところ、運悪く連絡の行き違いで、玄関までで中には入れなかったのである。そこで文献データでその概要を紹介しておく。
大連市内では、民営で22か所、計327床の整備がなされている。これまでのものは、いわば試行段階のもので、3階にあったり、20床以上のものがあったり設置開設に対して基本的な基準が定められていなかったが、これまでの展開事例を参考に2006年5月に基本規範が制定された。
その内容をみると、設置者の自己所有の住宅(大連の住宅相場は㎡単価4000~1万元である:住宅の購入は日本円で700~1600万円くらいかかる)において、介護、日常の世話、リハビリなどのサービスを提供する。エレベーターの無い場合は、1階または2階の設置に限る。暖房設備を有していること。基準面積は100㎡以上で、一人あたり10㎡以上、ベッド数は6~15床以内。厨房、トイレ、洗面所、風呂などの基本的な設備を備え、清潔であること。その他、非常口等の案内表示が2か所以上あること。また、設置に際しては近隣の同意を得ることとなっている。また、申請者の年齢が50歳以下と定められている。
人員基準も利用者4に対して従事者1以上と定められている。運営基準も高齢者の状態に応じた食事、見守り、定期的な消毒、食中毒の防止、室内の衛生保持、換気など高齢者の衛生管理を定めている。思った以上にかなり細かい規定を定めその高レベルの介護を促している。
利用料は設置者が施設のグレードによって自由に決定できるため、事業者ごとに少し異なるがその設定には根拠を示したコスト計算書を市の物価局に出し、認可を受けなければならない。概ね3段階あり、自立度の高い軽度の人が月800元、要介護の中度の人で月1000元、もう少し介護の重い重護の人で月1200元となっている。
一方で、介護従業員の雇い入れを一人月1000元と仮定すると、いわゆる医療、失業、年金、住宅基金などの社会保険関係で雇用者負担が43%、個人負担は23%が控除される。会社側の支払い総額は1430元であるが、本人の手取りは770元になり、各種保険等の負担率はかなり高い。
しかし、大連市では社区と連携し、在宅でのケアを進めていく方針からこの小型家庭養老の整備を今後も促進していくとのことであった。
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